自分のことは話さない

強みを引き出す

話し方コンサルタント池田弘子です。

私たちは誰だって

「この人！」

という人と会った時には

嘘のない関係を築きたい

信頼しあえる関係を築きたい

そう、思います。

そのためには

相手の話を聞くことが

必要です。

相手を理解することは

「聞く」以外に

ありえないからです。

しかしこの

「聞く」ということが

実はとても難しい。

聞くだけでしょ？

聞いてますよ？私は、僕は。

ほとんどの方はそう思っています。

しかし

人間関係が長く続かない

人はなぜか離れていく

なぜか

「こんなはずじゃなかった」となることが多い。

そんな出来事が起こっている時

その原因は

「聞けていない」

があるんです。

ほぼ9割の人は

聞くよりも話す方が好きです。

いやいや

私は話し下手なので聞く方が得意ですと

おっしゃる方もいますが

私がこれまでお会いしてきた方のほとんどは

聞くよりも話す方がお好きです。

私もまた、聴くよりも話すことが

大好きです。

大勢の人が集まると

必ず

話題をかっさらっていく人がいます。

他人の話題を自分の話題にすりかえて

自分の話に注目が集まるように

話を取っていく人もいます。

これは

本当に危険です。

その場では「わあ、面白い」と

もち上げられますが

その場の人の心の中は

スーッと引いています。

人は自分の話をしたいんです。

でも、

自分の話をしてはいけない。

禅問答のようですね。

あの人に会うと

自分の話ばっかりしかしない

私はいつも聞くばかり。

こんな不満を女性から聴くことが

本当によくあります。

女性はだいたいは聞き上手です。

男性はだいたいが話し好きです。

女性は延々と男性の話を聞いています。

聞かれている男性は

「自分の話が面白かったからだ」と

思っているかもしれません。

しかしそれは逆です。

女性は

自分の話をずーっと聞いてもらえる人を

心の底から求めています。

それはそんな人は

圧倒的に数が少ないから。

自分の話をしゃべるのは

簡単にできます。

そしていっぱいしゃべると

すっきりします。

自分は楽しいんです。

でも相手は「苦行」です。

会話はキャッチボールと言います。

でもキャッチボールができるには

お互いが

相手の話を「聞こう」という姿勢を

持っている人同士であれば

ずーっと会話が続きます。

喫茶店で何時間でも

楽しい会話が続くわけです。

しかし

どちから片方が

ずっと自分のことをしゃべり

どちから相手が

ずっと聞いている。

この構図の場合は

片方の我慢の限界がコップ一杯になった時

関係は終わりです。

だんだん距離を置かれます。

それは

しんどいから、です。

聞いている側も

日々積み重なるストレスが

溜まっています。

ストレスを吐き出すには

自分のことを気持ちよくしゃべらせてくれた時

です。

しかし

ストレス一杯の自分に

さらにこれでもかと

相手の話ばかりをずっと聞かされるとなると

この時間はもう「苦行そのもの」です。

話し上手は聞き上手

と言われます。

言多きは品少なし

とも言います。

多弁な人よりも

ほとんどご自分のことをしゃべらず

相手にしゃべらせ

聴くに徹している人の方が

なぜか信用されます。

自分のことを

多く語り

話を盛り上げていく人は

カリスマ性はあるかもしれませんが

近くにいる人には

愛されないことが

多いのです。

私たちは

「今日は、しゃべりすぎた」

「しまった、自分のことばかり言い過ぎた」

と話し過ぎたことを反省することは

あります。

しかし

「今日は聞きすぎた」

と

反省することは

まずありません。

多くの方が「私は話し下手なので

話し上手になりたい」とおっしゃられます。

しかし

これは危険です。

私は

人の話しを聞く時は

「さあ、あなたの話を聞きます。さあ、どうぞ」という

準備を私の意識の中に作ります。

そして1時間、2時間と徹底的に聴く

エネルギーを使います。

逆に

私は好きに話していいですよという場では

私はノーストレスです（笑）。

むしろ、快感です。

話すことは

楽しくてしょうがないから

簡単です。

でも聞く側になった時は

「さあ、聴くぞ」と意識を相手に

向けないとできません。

100倍のエネルギーを使います。

相手の話を徹底的に聴いてくれる人のところに

人は集中します。

そんな人は

少数だから、です。

お商売をされている方は

お客様が9割気持ちよくご自分のことを

しぇべり尽くして下されば

だいたいうまくいきます。

A店とB店どちらで

買おうかなと

迷っているお客様。

値段はどちらも同じ。

高額商品です。

その時決め手となるのは

何度も足を運びたくなるような

人がいる店です。

その店の人が

自分の話をたくさん聞いてくれるなら

同じものならその人のところに行きます。

自分がしゃべりたいことを

しゃべるのではなく

相手がしゃべりたいことを

相手のことをこれでもかと

しゃべってもらえた時

その時間が長ければ長いほど

何度も何度もその機会があるほど

相手はあなたを好きになります。

逆に

相手より自分の方がしゃべり

相手の話を「それよりもこっち」と自分の方へ

話題を取っていったりしていると

その積み重ねが

ある人突然

「もう無理」となって人は離れます。

もう疲れた

となるんです。

自分の話をぞんぶんに

聞いてくれる人のところに

私たちは足が向かいます。

自分のことを質問してくれる人のところに

近寄っていきたくなります。

どんなに忙しくても

自分の話をこれでもかと

気持ちよく聞いてくれて

自分の心の奥底まで語りつくさせてくれる人がいれば

どんなに無理しても

時間を作ります。

これは本能です。

私たちは

本当にどこまでも

自分のことを

聞いて欲しい

生き物なんです。

聞いて欲しくて聞いて欲しくて

しょうがない。

心の底から飢え渇いているんです。

逆に言えば

「まるごと聞く技術」

を身に付ければ

あなたを取り巻く

人間関係は劇的に改善します。

人間関係がうまくいかない

根本原因は

「相手の話を聞けていない」こと

これだけです。

ついしゃべりたくなる

つい反論したくなる

つい「その話は知ってる」と言いたくなる

つい「自分の体験」を話したくなる

つい「アドバイス」したくなる

それを「我」と言います。

自分が話し上手で

いつも話題の中心で

いつも人気者だったという自信がある人は

要注意です。

周囲が

合わせて聞いてくれていた

ということに

年齢を重ねていくと

気が付かされます。

自分の「我」をぐっとこらえる。

そして

相手の話を聞くことに焦点を合わせる。

これは

訓練を重ねていないと

できません。

自分のことは

話さない

ぜひ、意識してみてください。

あなたの大事な関係に変化が起こります。

そして

よく周囲を観察してみてください。

年齢を重ねるほどに

役職も順調にのぼり

人間関係も円滑。

影響力が大きくなっていく人は

かならず

「聞いて」います。

自分が話すより、

相手の話を9割聞いています。

私がどんなに質問して

どんなに関心を持っておたずねしても

逆に

「そんな時、池田さんなら

どうしてこられたんですか？」と

私の方に必ずボールをおくってこられる人

がいます。

さすがだな

といつも思います。

私に気持ちよくしゃべらせようと

してくれてるんだなと

感じます。

そして私は気分がよくなり

ますますその方を好きになります。

あなたもそうですよね？

貴方の話を

ずっとさえぎらず

共感しながら聞ききってくれる人は

いますか？

ぜひ、意識してみてください。

次回は

歴史を学めばメンタルが強くなることの

因果関係を書きますね。

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