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母性型とは

母性型とは、話し方の型のことではありません。自分の内側の状態が、そのまま外側の人間関係と現実をつくっている——その仕組みのことです。そして内側は、あなたが毎日しゃべっている言葉からできています。

はじめに

思い通りには、なりません。
けれど、思った通りには、なります。

長く話し方を教えてきて、何千人という方の言葉を聞いてきました。そこで何度も見てきたのは、 人生は思い通りにはならないけれど、思った通りにはなる、ということです。

「どうせうまくいかない」と思っている人は、そう言い、そう振る舞い、そのとおりの現実を受け取ります。 「私はいいから」と言い続けた人は、本当に自分抜きで物事が決まっていく場所に立っています。 意地悪な話ではありません。ただ、そういう仕組みになっているというだけです。

では、その「思っていること」はどこにあるのか。心の中を覗くことはできません。 けれど、ひとつだけ外に出てくるものがあります。言葉です。

仕組み

言葉から始まって、現実まで届く。

母性型が見ているのは、この四つのつながりです。 いちばん手前にあって、いちばん変えやすいのが「言葉」。だから、そこから手をつけます。

一 言葉

無意識の口ぐせ

「でも」「すみません」「普通は」「どうせ私なんて」。 考えて選んでいるのではなく、条件反射のように出てくる言葉。1日に何十回、何百回。 そして、いちばん近くで聞いているのは、いつも自分自身です。

二 内側

マインド・本音

同じ言葉を繰り返すと、心はその言葉を前提として受け取ります。 「どうせ」と言い続けた心は、期待しない癖を覚える。「すみません」と言い続けた心は、 自分を低く置く位置を覚える。言葉が、内側の形をつくっていきます。

三 人間関係

相手の反応

内側は、表情と間合いと声に出ます。 相手はそれを受け取って反応します。だから、相手の反応はあなたを映した鏡です。 責めるための鏡ではありません。自分がいまどんな言葉を使っているかを知るための鏡です。

四 現実

人生の景色

人間関係が変われば、任される仕事も、誘われる場所も、 入ってくるお金も変わります。大げさに聞こえるかもしれませんが、 私は生徒さんたちの人生で、この順番を何度も見てきました。

なぜ「母性型」なのか

押して通すのではなく、
包んで動かす。

世の中には、正しさで押し切る話し方があります。理屈を積み上げ、相手を言い負かし、 白黒をつける。仕事の場では、それが求められる場面もあります。私はそれを父性型と呼んでいます。

けれど、その型だけで生きていると、女性は枯れていきます。常に戦っている状態ですから、 休まらない。家庭でも同じ調子で話すので、夫は黙り、子どもは離れ、 気がつけば周りに誰もいない。正しいのに、寂しい。

母性型は、その反対です。相手を裁かず、自分も裁かず、受け取ってから、本音を静かに置く。 勝ち負けをつけないから、相手は身構えません。身構えない相手は、話を聞きます。 結果として、押すよりも早く、人は動きます。

誤解のないように申し上げると、母性型は我慢ではありません。 「私はいいから」と飲み込むのは、母性型ではなく、ただの自己犠牲です。 本音を言わないことと、穏やかに言うことは、まったく別のことです。

三つの約束ごと

母性型の言葉には、
三つのきまりがあります。

一

裁かない

「普通は」「べき」「なんで」。これらは相手を裁く言葉であり、 同時に自分も裁いています。裁く言葉をやめると、まず自分の内側の緊張がほどけます。 相手が変わるのは、そのあとです。

二

事実と、自分がつけた物語を分ける

「連絡がなかった」は事実。 「私は大切にされていない」は、あなたがそこにつけた物語です。混ぜて話すと、相手は物語のほうに 反応して言い争いになります。事実だけを言い、そのあとに自分の気持ちを置く。順番の問題です。

三

本音を、ひとつだけ置く

全部を言う必要はありません。 「本当は、私も一緒に決めたかった」。たったひと言でいいのです。 置いたあと、相手がどう反応するかは相手の仕事。あなたの仕事は、置くところまでです。

言い換えの例

同じ場面で、言葉だけを変える。

自分を裁く言葉

「すみません、私なんかが」

「ありがとう。やらせていただきます」

望まない言葉

「私は別にいいから」

「本当は、私も一緒に決めたい」

相手を裁く言葉

「なんで、ちゃんとやらないの」

「ここまでできているのね。あとはここだけ、お願い」

諦める言葉

「どうせ、この年で」

「せっかく、この年になったのだから」

言葉を変えるのに、才能も、お金も、時間も要りません。
必要なのは、いま何を言っているかに気づくこと。それだけです。

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