母性型会話術の
池田弘子です。
先日講座の中で
「声を相手に届ける」
というワークをしてみました。
6人が後ろ向きになり
ある場所にかたまって立っています。
そこから3~4メートル離れたところに
一人が立ちます。
3~4人はその様子を見ています。
いわばギャラリーです。
1人は後ろ向きの6人に向かって
まっすぐ、立ちます。
そして
誰か一人に向けて
言葉を届けます。
届ける言葉はなんでもOKです。
「こんにちは」
でも、「こんばんは」でも
「大好き」
でも、なんでもOKです。
で、今回は
「こんにちは」
でいきました。
後ろ向きに立っている6人は
「自分に言われたかな?」と感じたら
手を挙げるというルールです。
これを
何回か
繰り返します。
後ろ向きの6人は
最初は「自分かな?」「何か聞こえたな」
と2人くらいが手をあげます。
受け手と発信側が意識を集中し
繰り返します。
すると
6人の受信側から
いろいろなコメントが出てきます。
「自分の横の人に話しているように感じた」
「ぼや~っとみんなに言われているような感じ」
横で見ていたギャラリーからは
「6人がいるところよりずっと手前で落ちた」
「ぶわん、と全体に広がってる」
「あ、当たったのが見えた!」
声を届ける人を
順番に変えていくうちに
受信側の6人もだんだん意識が研ぎ澄まされてきます。
「あ、頭にあたった感じ」
「耳の横から抜けた感じ」
「ドンって当たった」
と身体に感じる
というコメントが出てきます。
ある男性は
指示したことを的確にキャッチし
一発で相手に声を届かせることに
成功しました。
指示したことは
①まず誰か一人を決める
②決めた相手の首に焦点を合わせ意識を集中する
③目線を一点に合わせる
④「こんにちは」という想いを一点にぶつける
です。
指示を受け取った彼は
態勢を整えると
「行きます」という言葉の後
「こんにちは」と相手に声を届けました。
焦点を当てた相手は
一瞬ビクっとなり、手を挙げました。
ギャラリーは
「あ、当たったのが見えた」
「あの人に届けたのね!」
「まっすぐ、ズドンだった」
と的確に彼がとった行動が
見えました。
私にも彼の目が一瞬で変わったことが
見えました。
視線は意識とリンクしています。
視線、いわば目の力です。
目は口ほどにものをいい
と言いますが
その通りです。
目を見たら
相手が何を思っているのか
集中しているのか
他ごとを考えているのか
傍観しているのか
私たちは瞬時にわかります。
何を言っても相手に
伝わっていく人
通っていく人は
声を出す前に必ず
目で相手をつかまえているんです。
私たちは日常言葉を使います。
そして、言葉を聞き、言葉を頭に入れます。
しかし、それは知識です。
私たちは今、知識を話すことが
日常の圧倒的を占めるようになりました。
しかし
残念ながら
相手に届かない知識言葉をいくら話しても
相手には届きません。
そして
もっと悪いのは
その声は自分自身に届かないのです。
自分に届かない言葉をいくら話しても
自分の行動に変化は起きません。
「頭ではわかったけど動けない」
状態になってしまうのは
知識だけが、頭に入ったからです。
人と動かすのは
知識ではありません。
感情です。
気持ちです。
気持ちが伝わった時、相手も動きます。
そして自分も動いてしまうのです。
「こんにちは」は音ではなく
自分の中から湧き上がる「気持ち」なのです。
声は自分そのものなのです。
「こんにちは」と言いたい「気持ち」
が
たまたま「こんにちは」になっただけ、です。
声は自分そのもの
なのです。
「声を届かせる」ことは
「心の底から伝えたい」という気持ちがなければ
どんなテクニックを駆使しても相手には届きません
伝わりません。
そして、それは
見たらわかるのです。
ギャラリーが見ると
すぐに見えてしまうのです。
だから
人間は面白いんです。
テクニックがありそうで
実は、テクニックが通じないんです。
多くの人は
自分の気持ちを表現することが
苦手です。
発信する側は
苦手なのです。
相手からの違和感や
相手からの不快感は
敏感に感じることはできます。
「あの人は嫌」
「あの人は苦手」
「あの人は話しにくい」
「あの人は心閉ざしている」
こうやって相手の様子は
敏感に察知します。
しかし
これに対して
相手に自分を表現する
伝える
という能力が
圧倒的に低いのです。
話す力をなぜ鍛えなくてはいけないか?
それは
声は自分そのものだから、です。
表に現れている態度
笑顔であるとか
無表情であるとか
声が小さいとか大きいとか
人前に立つとおどおどするとか
身体が揺れるとか
恥ずかしがっている様子
これらすべてが
自分自身なのです。
多くの人は
ビデオカメラで撮影した自分の姿を見た時
「こんなの私じゃない」
と言います。
録音された声を聴いて
「これは私の声じゃない」
と言います。
「本当の自分ではない」と言います。
誰しも、自分の本当の姿は
認めたくない。
もっと違う自分がある
と思いたいんです。
ビデオカメラに映った自分こそが
「他人から見た自分の本当の姿だ」
と認識できた人から
飛躍的に成長します。
姿勢が悪い人は
自分が姿勢が悪いとは気が付きません。
「私は姿勢が悪いんだ!」と
気が付けば、一瞬で治るのです。
気が付けるかどうか、なのです。
私たちは、そういう仕組みになっているんです。
しかし
そんな場は今、なかなか
ありません。
私たちは今
多くの情報に触れ
多くの知識を知っています。
しかし
言葉はたくさん知っていても
実際に使える言葉は
ほとんどほとんど持っていません。
なぜなら
知ったことと
できることは
また別の話しだから
です。
知ったから
できると
思ってしまうことで
私たちは自分を棚上げします。
棚上げすることで
自分の成長は止まります。
すべてのことを
「自分のこととして」とらえる習慣がついている人は
何をやっても成長します。
鍵は
「自分のことだ」と思えるかどうか、です。
他人事になった途端に
私たちの成長は一瞬で止まるんです。
覚えておいて下さい。
人は、指摘してくれません。
「ああ、ここをこうしたらいいのにな」
「違うんだけどな、こうしたらいいのに」
「そこがダメなんだけどな」
と、教えてはくれないのです。
「お願い、悪いところは言って下さい」
と言っても
指摘してはくれません。
あなたも、言いませんよね?
言ってくれるのは
家族か、よほどの関係の濃い人だけ、です。
嫌われたくないから、です。
好かれたいから、です。
場の空気を壊したくないから、です。
声を届かせる訓練は
自分だけの思い込みの世界から
抜け出すために
最高の訓練です。
届くか
届かないか
はっきりしているから、です。
届いたかも
ではなく
届けることができたか
届けることができなかったか
はっきりすることなので
訓練になるのです。
ギャラリーになると
はっきり見えてしまうことなので
訓練になるのです。
私たちは今、いろいろな知識を
頭に詰め込んでいます。
コミュニケーションの知識も同じです。
頭の中に知識が入れば入るほど
私たちは目の前の人と向かい合えなくなります。
「目を合わせるのは何秒くらいでしょうか?」
「目をそらすタイミングは?」
「目を見過ぎると怖いのでどのへんを見ればいいでしょうか?」
「笑顔は何秒キープしたらいいでしょうか?」
「どう、言えば振り向いてくれるでしょうか?」
こんな質問が増えてきています。
人と触れ合わず
頭の中に知識だけを詰め込む作業を繰り返しているうちに
私たちの感覚はどんどん鈍くなっていきます。
「目を合わせましょう」
「相手のこのあたりを見ましょう」
これら全部テクニックです。
1000のテクニックを知識として
覚え実行するより
たった一度相手に「こんにちは」を確実に届けることです。
私たちはテクニックを欲しがります。
こうしたら、相手はこうなる
というハウツーを欲しがります。
しかし、その方向へ走ると
あなたはこれから膨大なテクニックを知識として
仕入れていかなくてはいけません。
しんどいです(泣)
「こんにちは」と言いたい「気持ち」が
相手に声を届かせます。
ちゃんと届くと
相手は必ず反応します。
人と人とはきちんと関わった時
必ず化学反応を起こすのです。
それが
恋になったり
仕事になったり
友達になったり
するだけ、です。
何も起こらない
ということは
届いていないのです。
自分が言いたいことを
言ってるだけなんです。
自分の殻の中から
「私をわかって~」と叫んでいるだけ。
これでは永遠に届きません。
自分の想いは誰にも通じません。
相手に近づきたい
あなたに伝えたい
というその気持ちが
「こんにちは」という声や態度や動作に
なっただけ、なんです。
「こんにちは」と言いたい「気持ち」が
視線となり相手に向かっているだけ
なんです。
声を発しているのは
自分です。
自分の体が発信機なんです。
知識が入った頭も、体の中に内蔵されているものなんです。
頭だけが先走ってしまうと
自己表現は成功しません。
自分の体全身を使って表現しているんです。
表情
声
姿勢
意識
すべてを総動員して
自己表現をしているんです。
声を相手に届かせるためには
感情を解き放つことが
スタート地点です。
「あなたに伝えたいんだ」
「あなたと会いたかったんだ」
「あなたに触れ合いんだ」
「嬉しかった」
「悲しかった」
「さみしかった」
湧き上がるひとつひとつの感情を
まずは表に出していく練習です。
言葉は
気持ちがあふれたものに過ぎません。
あふれてこないものは
伝わらないんです。
溢れさせましょう。
気持ちを溢れさせましょう。
それが
今、生きている、ということです。
ちゃんと相手と関わっていく
ということです。
余談です(^^)
先日懇親会の席である男性が
ご自身の体験を語って下さいました。
自称「あがり症で話し下手」な男性です。
十数年前、船で海に出た時のことです。
気象庁も予想できないような春の嵐に捕まりました。
陸から遠く離れた海の上。
船長として舵をとっていた彼の手足が震えます。
海上保安庁から無線で「ご無事を祈ります」と。
その時、船員達の顔を見て
よしっ、行くぞ、と言葉を交わさずとも
一体になりました。
「生きて帰れないかもしれない」
本気でそう、思ったそうです。
何気ない雑談から彼のこんな体験談になりました。
その場にいた全員が彼の話しに惹きつけられます。
息をのむ人も、います。
目の前にいた女性は
「海の上で波が大きく揺れているのが見えた」
そうです。
ほんの数分でしたが
彼の話に全員が一体となり惹きこまれた瞬間でした。
話し下手や
あがり症って
思い込みだって、わかりますか?
誰だって
自分が体験したことを
夢中で話している時は
人を惹きつけるんです。
体験している人の話に
かなうものは、ありません。
私たちは本来超能力を持っています。
意識だけで声を出さずとも
相手を振り向かせることもできるんです。
そうできなくしているのは
知識です。
情報です。
頭に詰め込み過ぎて
感じられなくなっているんです。
研ぎ澄ましましょう。
感覚を。
どんな体験も
どんな感情も
すべて味わい尽くすんです。
そうやって腹をくくって生きていると
起こることすべて貴重な体験です。
壮絶な体験は
多くの人を惹きつけるテッパンのネタの宝庫ですよ(笑)
母性型勉強会や
講座やセミナー、そしてレッスンに
参加してくださっている方々から
さまざまな質問や熱いメッセージを頂きます。
どうぞあなたもどんなことでもメッセージ下さいね!
日時:2017年6月21日(水曜日)午後6時30分~20時30分
場所:高松国際ホテル
会費:3,000円(食事代込み)
日時:2017年5月31日(水)午前10時~午後1時
場所:ホテルニューオータニ博多
会費:3000円(食事代込み)
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第3の法則 第一印象で好感をもたれる方法
第4の法則 人から好かれる声の作り方
第5の法則 伝わる話の組み立て方
第6の法則 あがり症の克服
第7の法則 魔法の言葉 ほめる口癖
あなたが、弱みだと思っていることは
実は「強み」であることはとても多いのです。
あなたの中に眠る強みを引き出し
どんどん世界を広げていって下さいね。
話し方が変わるとあなたはこんな風に変わります。
1、説得力が増します。
2、人に好かれます。
3、笑顔が素敵ですねと言われます。
4、はっきりモノを言える人間になります。
5、断れる人間になります。
6、悩みを相談されやすい人になります。
7、話しかけられやすい雰囲気になります。
8、自信がつきます。
9、信頼してもらえるようになります。
10、自分を好きになり、心から人を好きになることができます。
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